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たなか医院 田中一宏

私は神戸大学小児科で小児神経を専門にし、その後県立淡路病院にて発達の遅れた子どもや多動の子どもを診てきました。10年ほど前に緑町で開業後もそのような子供達と遭遇する機会が多くなり、地域でのネットワークの必要を感じるようになりました。そのためこの研修会を2年前から企画し、あわじ緑RCと淡路小児科医会のご協力で開催することができました。

 当初は少人数で症例検討会のようなこともできたらいいなあと思っておりましたが、回を重ねるに連れて参加人数が増えてきたため、このような大きな会場で講演会形式となっております。講演会形式になっておりますが、この会でいろんな方が顔見知りになりますことを願っています。

 昨今の子どもは大人の価値観の変化から非常に忙しい子どもとなっています。塾、習い事、水泳、バレーボール、野球等のスポーツクラブ等のために、家族間の会話不足、地域行事への子どもの不参加など、家族、地域社会との交流の場が失われています。また子どもにとっても趣味に打ち込む時間が無くなり、ストレスの発散場所がないのが現状です。

 ところで私どものような診療所で遭遇する心の問題には、次のような3パターンがあります。まずはじめは、母親が子どもの心の問題として認識しているまたは疑っている場合です。これには乳児期にはあやしても笑わない、ミルク嫌い、夜泣き、泣き入りひきつけ、育児不安、体重増加不良、発達遅滞、幼児期にはチック、言葉の遅れ、学童期には、不登校、非行などがあります。次には、その問題や訴えを母親がまったく心の問題として認識していない場合です。これには先ほどあげたような訴え以外には、腹痛、下痢、便秘、喘息のように心身症を疑わせるものもあります。最後には、全く他の病気で来院していて、たまたま我々医師が気がつく場合です。これには、診察室内の親子関係、母親と祖母の関係、夫婦関係等の人間関係や、多動、子どもと視線が合わない等の症状があげられます。

 このように診療所を訪れる場合は、まだ症状として極初期の段階のもが多く、その意味からも小児科医の役割の重要性が伺われます。

 しかし心の問題を抱えた子どものケアとなると、親、学校(保育園)、保健所、行政、子どもセンター、カウンセラーと様々な人たちとの連携が必要になってきます。そのためのネットワークが必要です。小児科医はそのキーパーソンとして舵取り役を担うのが最適ではないでしょうか。一人一人のケースに応じて、ネットワークを構成し、必要に応じてカンファレンスを重ねていくことが重要と考えています。

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