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決議23−34の作成

 その辺の事情をもう少し詳しく述べてみたいと思います。この論争に苦慮した連合会は、その態度を二転三転させます。まず1922年に決議22−17を出しています。これは身体障害児対策ほどロータリークラブにとってふさわしい社会活動はないから、クラブはこぞってこれに参加すべし、という決議です。
 その翌年の1923年には、これと全く反対の決議を出します。ロータリーの使命は奉仕の理想の追求にある。したがって身体障害児対策のみにうつつを抜かすことなかれ、という内容です。同じとしに決議23−8というすさまじいドキュメントが出ます。もっともこれは決議23−34の承認の代償として引っ込められる運命となるので、現存していません。この内容は、身体障害児対策はロータリーにとって非常にふさわしい事業であるから、各ロータリアンは人頭分担金の中から毎年1ドルずつを別枠でプールして、それを身体障害児対策に使うというものです。これが承認されたら大変なことになっていました。決議23−34をのむならこの決議23−8を撤回しようという、もっぱら職業奉仕遵守派を牽制するための連合会の苦肉の策とも言えましょう。
 決議23−34はロータリーの本質をはずれて、団体的、金銭的な社会奉仕活動がロータリークラブの活動だと信じ切った人達に警鐘を鳴らすと同時に、一定の条件の下で、そうした社会奉仕活動もロータリークラブの正規な活動として認めようというドキュメントです。現在の四大奉仕という分類は1927年にできたわけですから、ここで述べられているCommunity Serviceという言葉は現在の狭義の社会奉仕ではなく、家庭、職場、地域、国際社会すべてに対する奉仕が網羅されたものです。したがってこの決議は、原名が「綱領に基づく諸活動に関するロータリーの方針」であることからもわかるように、単に社会奉仕に対するものではなくロータリーアクティビティすべてを対象とした、非常に重要なドキュメントとも言えましょう。
 この決議を撤廃しようという動きが強まり、毎回のように規定審議会に提案されたことは皆さんもご存じの通りです。日本と韓国のロータリアンの努力で、決議95−286とともに有効という付帯条件付きでかろうじて残っているものの、その間に1984年の手続要覧から忽然とその姿を消すという大事件がありました。RIの意図的な行動なのか、このパートを担当するRI事務局員の越権行為なのか、単純なミスなのかは別として、ロータリーの分裂を回避した歴史的な重要性と、団体的金銭的奉仕活動に傾きつつある現在のロータリー・アクティビティに警鐘を鳴らす意味を含めて、これは金科玉条としていた心あるロータリアンにとって、ショッキングな出来事でした。
 決議23−34の第1条にはロータリー哲学が述べられています。人の心には自分が益しようという利己の心と、世のため人のために何かをなさねばならないという利他の心があり、両者が常に葛藤を繰り返しています。この相反する二つの心を調和する哲学が、ロータリーの奉仕理念であるHe profits most who serves bestとService above selfなのです。第2条にはロータリークラブとは何かが定義され、さらに第3条ではRIの役割が定義されています。
 冒頭でお話しし申し上げましたように、RI派決してロータリーの上部組織ではなく、対等な関係にある組織です。クラブ内で奉仕理念や拡大について、喧々囂々議論を戦わせれば親睦を阻害するおそれがあるという理由から、クラブ間の合意に基づいて作られた組織であり、RIが直接監督権によってクラブを監督するのは、クラブがRI定款・細則およびクラブ定款に違反した場合だけに限られているのです。
 第4条はロータリー運動は理論のみでなく。奉仕活動の実践が伴わなければならないことが明記され、第5条にはクラブの自治権に関する権利と義務が述べられていて、奉仕活動の実践はすべてがクラブの自主性に任されており、RIはこれに一切干渉できないことが明記されています。そして第6条にはクラブが団体的な奉仕活動を実践する場合の種々の制限が7項目にわたって述べられています。この決議を精読して初めてロータリアンの仲間入りができるといわれるほど、重要なドキュメントと言えましょう。
 1927年、ベルギーのオステンドで開かれた国際大会で、奉仕部門を現在の四大奉仕に分けることが決定され、初めて職業奉仕という言葉が正式に出現しました。その後のロータリーの歴史の中から、職業奉仕に関連ある事項をピックアップしてみると、1932年にシカゴクラブのハーバート・テーラーが考え出した「四つのテスト」、1948年にハージー・ホジソンが書いた「奉仕こそわがつとめ」などの素晴らしい文献の発行があげられますが、時間の都合上割愛させていただきます。

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